古事記 出町柳巻

トキモテアマシノミコト出町柳に坐す時、桝形の方から大きなる鯖が来て曰く「我の背に乗れ」と曰す。

鯖に乗りて行くと、店立ち並ぶ処に着きけり。

すなはちトキモテアマシノミコト、店番する娘コメツキヒメに曰く「その白きものは如何なる味ぞする」。コメツキヒメ答えて曰ひしく「モチモチなり」と。

故、トキモテアマシノミコト、モチとなづく。